乳腺疾患の一般的な画像診断方法は、マンモグラフィ(乳房専用X線装置)とエコー検査です。画像診断で私達が注意する主な乳癌の兆候は、腫瘤像(しこり)と微細石灰化像(1mmの十分の一以下の大きさのカルシウムからできた白い粒々)です。
エコー検査は、触診では決して発見できないような5mmの大きさの腫瘤像(しこり)でも発見可能であり、一方淡いごく初期の石灰化像はマンモグラフィでしか映らいものが多いので、各々の特徴を考慮して両方でチェックするのが最も理想的です。
さらに精密検査としては、針を刺して行う、細胞診や組織診(針生検)があります。針を刺してしこりのごく一部を採取し顕微鏡で調べます。外科的に切除する前に、針で確認する方法です。
良性であれば、基本的には切除する必要(傷をつける必要がない)がないので、過大な浸襲を避けるためです。基本的にはどちらを行ったとしても、まずはきちんと腫瘤に刺すことができるか、充分量の検体が取れるか、さらにきちんとした標本を提供できるかなど結構慣れを必要とすることが多いのです。
まずは、最初の段階として、きちんと目的の病変から検体を採ってくることで、そのために私たちは必ず画像を見ながら行います。多くはエコー検査で針の先がその部分に命中していることを確認するのです。
また、病理組織を判定する医師の力も必要です。専門の病理の先生の診断が重要なのです。安心するには、しこりが良性であることを確認することだと思います。その後は、安心して経過をゆったり診ていけばいいのですから。